2006年02月18日
資源を大切にする姿勢
久しぶりに妻とCOOPへ行きました。ぶらぶらと店内を眺めていると赤ちゃんのための飲み物が置いてありました。いつものように手にとって裏を返し表を返しして容器を観察する。決して「もう我が家には必要ないなぁ」としみぢみ思っているのではなく単に職業病。
そうしているうちにハッと気がついて、もしやと思い探してみると以下の主旨のことが印刷で書かれているのを見つけました。
「容器の内部に残った粉を取る目的で缶切りを使って蓋を開けないでください。アルミの金属粉が混入する恐れがあります」
大筋でこんな感じの文章でした。
あるとき、飲み終わった哺乳瓶の内側に金属のツブが残っていたということが起きると、同じような問題が続くようになりました。調べてみるとその金属粉はアルミニウムでした。飲んでいるのが乳児なのだからクレームを受けた側も急いで対応する必要がありました。容器を造る工場、蓋を作る工場、中身を詰めて出荷する工場。すべての工程において何処でアルミ粉が発生するのか、何処で混入するのかの洗い出しを始める。すると疑わしい部分というのは山と出てくる。
疑わしい部分に対して改善策が出され詳細設計がなされ、部品が作られ、深夜まで続く改造工事が行われます。休日も無く対応する。多くの人員の努力で金属粉が発生する可能性のある部分の消しこみは終わりに近くなり、なんとなく安心感と祈りみたいのが広がった矢先に、またアルミ粉のクレームが出たと知らされ、もうこれ以上対策は考えられないところまで追い込まれてしまう。
何が原因なのか。狂言ではないのか。
ひとつ解ったことは
蓋の部分を「缶切り」で切ってみた。そうすると缶切りで切ることによってアルミ粉が発生した。
そのアルミ粉とクレーム元の消費者から回収したアルミ粉が顕微鏡レベルで特徴が一致したと言うのです。実際に切ったのかどうか消費者に確認すると、切っていないと言うらしい。「切った」と認める人は居なかったそうです。
もうひとつ解ったことは、この問題の発生場所が日本の中でもある地域に集中していたことです。それの解釈として「異物が入った商品がその地域に集中的に出荷された」と考えるよりも「異物というのは最初から入っちゃいないのだ。入れ物の中に残った食品を『もったいない』という思いから缶切りで切って最後まで使いきる精神、地域性じゃないのか」
確かに『もったいない精神』が働くと例えばシャンプーを使い切った容器だって中にお湯をいれて振ればまだ1回くらいは髪を洗えるし、缶に入ったミートソースもちょっと水をいれてやればキレイに使い切れるわけです。そういう精神は素晴らしいと思う。
「切った」と認める人が居ないものの、なんとなくそれが原因っぽいなぁという雰囲気が強くなったのです。しかし、事態の結末を見ないまま、自分はこの問題に引き込まれた「その他大勢」の中から離脱することになります。
数年を経てCOOPで見つけたそれには
「切るな」と明示されるに至っていたわけで、それは多少なりともその行為が原因のひとつであると解釈されたんだなと思うと、苦しかった当時のドタバタもまぁ良い勉強だったなと感じるのです。
そうしているうちにハッと気がついて、もしやと思い探してみると以下の主旨のことが印刷で書かれているのを見つけました。
「容器の内部に残った粉を取る目的で缶切りを使って蓋を開けないでください。アルミの金属粉が混入する恐れがあります」
大筋でこんな感じの文章でした。
あるとき、飲み終わった哺乳瓶の内側に金属のツブが残っていたということが起きると、同じような問題が続くようになりました。調べてみるとその金属粉はアルミニウムでした。飲んでいるのが乳児なのだからクレームを受けた側も急いで対応する必要がありました。容器を造る工場、蓋を作る工場、中身を詰めて出荷する工場。すべての工程において何処でアルミ粉が発生するのか、何処で混入するのかの洗い出しを始める。すると疑わしい部分というのは山と出てくる。
疑わしい部分に対して改善策が出され詳細設計がなされ、部品が作られ、深夜まで続く改造工事が行われます。休日も無く対応する。多くの人員の努力で金属粉が発生する可能性のある部分の消しこみは終わりに近くなり、なんとなく安心感と祈りみたいのが広がった矢先に、またアルミ粉のクレームが出たと知らされ、もうこれ以上対策は考えられないところまで追い込まれてしまう。
何が原因なのか。狂言ではないのか。
ひとつ解ったことは
蓋の部分を「缶切り」で切ってみた。そうすると缶切りで切ることによってアルミ粉が発生した。
そのアルミ粉とクレーム元の消費者から回収したアルミ粉が顕微鏡レベルで特徴が一致したと言うのです。実際に切ったのかどうか消費者に確認すると、切っていないと言うらしい。「切った」と認める人は居なかったそうです。
もうひとつ解ったことは、この問題の発生場所が日本の中でもある地域に集中していたことです。それの解釈として「異物が入った商品がその地域に集中的に出荷された」と考えるよりも「異物というのは最初から入っちゃいないのだ。入れ物の中に残った食品を『もったいない』という思いから缶切りで切って最後まで使いきる精神、地域性じゃないのか」
確かに『もったいない精神』が働くと例えばシャンプーを使い切った容器だって中にお湯をいれて振ればまだ1回くらいは髪を洗えるし、缶に入ったミートソースもちょっと水をいれてやればキレイに使い切れるわけです。そういう精神は素晴らしいと思う。
「切った」と認める人が居ないものの、なんとなくそれが原因っぽいなぁという雰囲気が強くなったのです。しかし、事態の結末を見ないまま、自分はこの問題に引き込まれた「その他大勢」の中から離脱することになります。
数年を経てCOOPで見つけたそれには
「切るな」と明示されるに至っていたわけで、それは多少なりともその行為が原因のひとつであると解釈されたんだなと思うと、苦しかった当時のドタバタもまぁ良い勉強だったなと感じるのです。
Posted by Elizabeth at 08:01│Comments(2)
│出来事
この記事へのコメント
そのような話は初耳です。
現物はどのようなものかよくわからないのですが、想像するに
側がスチール缶でトップと底がアルミ製の缶かな?
だとするとスチールやステンレスなどの硬い素材の缶切りで
缶のトップを切るとアルミが削れる可能性はありますね。
うちの缶切りはトップに近い「側」を切るタイプのものです。
切り口が鋭いので気をつけないと指を切ってしまい、これも危ないです。
現物はどのようなものかよくわからないのですが、想像するに
側がスチール缶でトップと底がアルミ製の缶かな?
だとするとスチールやステンレスなどの硬い素材の缶切りで
缶のトップを切るとアルミが削れる可能性はありますね。
うちの缶切りはトップに近い「側」を切るタイプのものです。
切り口が鋭いので気をつけないと指を切ってしまい、これも危ないです。
Posted by manbow at 2006年02月18日 20:12
>manbowさま
こういう話って世の中に山ほどあっても実際には聞こえてこないですよね。秘密なのかな?
そうそう、胴体がブリキで蓋はアルミ製のやつです。今の缶切りってクルクルと回すタイプなんですね。てっきりこんなヤツしか頭になかったです(画像すら落ちてませんでした)
缶の横っ腹を切り取る缶切りってあるんですか!強烈ですね。モロにブリキを切るのだから鋭利なんでしょうね。要注意だ。そして切ったあとの缶の切り口も放置注意でしょう。
最近「パカッ」っと全部開く缶の蓋も切ったあとのエッジが安全になるように工夫されてきています。が、これも身近で苦労してるスタッフがいます。。。。。
こういう話って世の中に山ほどあっても実際には聞こえてこないですよね。秘密なのかな?
そうそう、胴体がブリキで蓋はアルミ製のやつです。今の缶切りってクルクルと回すタイプなんですね。てっきりこんなヤツしか頭になかったです(画像すら落ちてませんでした)
缶の横っ腹を切り取る缶切りってあるんですか!強烈ですね。モロにブリキを切るのだから鋭利なんでしょうね。要注意だ。そして切ったあとの缶の切り口も放置注意でしょう。
最近「パカッ」っと全部開く缶の蓋も切ったあとのエッジが安全になるように工夫されてきています。が、これも身近で苦労してるスタッフがいます。。。。。
Posted by nitride at 2006年02月19日 14:52