「エベレスト 非情の最高峰」 ナショナルジオグラフィック社  

Elizabeth

2005年11月27日 21:42

「エベレスト 非情の最高峰」 
   IMAXフィルム映画「エベレスト」撮影記録
          日本ナショナルジオグラフィック社発行


  
今年1月に読んだ山野井泰史氏の「垂直の記憶」は衝撃的でした
この「エベレスト 非情の最高峰」もインパクトは強かった。
ただ、大きな違いは山野井氏の著書は生還の奇跡。しかしこの本は1996年5月に起こったエベレスト登山隊遭難のことが柱となっています。5月10日、多くの登山者が山頂アタック中に天候が激変。8名が犠牲になった。同じ時期に入山していたIMAX映画撮影隊は必然、救助活動を行う。
  

  
A4版よりも少し大きいサイズのこの本は、雄大なヒマラヤを迫力のある写真130枚で伝えています。中盤まで読み進むことでエベレスト登山の風景や手法、チベットの文化などが良く理解できると思います。
ただ、どの写真を見てもとてもあの頂に人間が行くなんて信じられないというのが正直な印象。
  
そして後半からは悲劇の記述。
山頂付近で動けなくなった顧客を置いていくことができずにその場に留まった登山ガイド。
遭難後の無線通信のやりとりから最後の通信までの悲しさ。
あまりに重くて一気に読み進むことはできません。
  
もしもこの遭難事故が発生していなかったらIMAX撮影チームはこの本を出版しなかったのではないでしょうか。撮影チーム自体は無傷だったので約半月後にエベレストの登頂を成功させ、山頂でIMAXの映画を無事撮影しています。
  
数年前にどこかの科学館でこの映画「エベレスト」が上映されていたのを思い出しました。なんとなく所沢の航空記念館だったような気がしますが、映画の説明に「悲劇」といった感じの記述があったために怖気づいて観ませんでした。
観ておけばよかったと後悔しています。
IMAXで撮影されたエベレスト山頂からの景色はどんなだろう  
  
  
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