「えぞ王国」 竹田津実著
特にこの著者を知っていたわけではないが
なんとなく借りてみて
写真の1枚1枚に1行程度の文章が添えられていて
ちょっとキザっぽいかな?と思う面もあったが
読み進むうちに33年以上のキタキツネを追ってきた著者の深い言葉だとわかり
写真、文章ともに興味深く観ることが出来た
大概の写真集は写真に添える文章は見かけない
竹田津氏のように専門的でありながら、さりげない言葉で説明することで
素人にはその写真がより一層理解できるし著者が伝えたいことも伝わってくる
次の一節が印象に残る
本州や九州を旅すると
北海道はあらゆる意味で外国であると気づく
カムチャツカやサハリンを旅すると
北海道は外国でなく
この北の島に連なる南の島だと
しにじみ感じてしまう
動物や植物、流れる雲
わき出る霧までが全く同じなのだ
写真が物語っている
広く風景を写した写真に、良く見ないと見逃してしまうくらい
米粒みたいに小さく動物が写っている
そのことがかえって自然の中での動物の存在感を強めていた
そして著者の北海道への気持ちが見えたような気がする
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